遠心分離機の沈降分離について| 遠心分離機メーカー 斎藤遠心機工業株式会社

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遠心分離機の沈降分離について

ある種の混合液を容器に取り静置すると、比重の差に従っていくつかの層に分離する現象は、誰もが経験するところです。この沈降分離現象を利用して、連続的な分離操作を達するための条件を考えるときに用いられるのが図1の如きモデルです。図1は、長さL、巾W、深さは任意の漕のA端から、微粒子を懸濁した液体が流量Qで流入し、B端から液深hで均一に流出している様子を示しています。A端から流入した微粒子Pは、比重差に起因する沈降速度Vgで垂直下方へ沈降を始めとすると同時に、液の流れに乗って水平方向へVqの速度をも有し、実際にはVgとVqの和の方向へVなる速度で運動することになります。ここで、懸濁する粒子Pを取り除き静澄な液体を得るための条件は、Pが流出口Bに達する以前に液深hより深い位置まで沈降していればよいわけですから
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を満足すれば分離の目的を達するわけです。今ここで
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と考えられる故(2)を(1)に代入して整理すれば
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となります。右(3)式右辺のL・Wは図1に示す漕の平面積に他なりません。
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そこで漕の平面積をSとすると、(3)式は
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となり、この漕の分離能力Qは、粒子Pの沈降速度Vgと面積Sとにより定まることが判ります。
このVgを自然沈降速度と呼称し、ストークスが左記の式を与えて居ります。
遠心分離機の沈降分離について
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右式に於て、Vgは重力加速度gに比例して大となることを知り得ます。
遠心分離機(遠心沈降分離機)とは、この重力速度gに代えて遠心加速度により沈降速度を大ならしめ、短時間大量処理の目的を達しようとするものです。同時に回転容器に様々な工夫をこらし、(4)式のSに相当する面積をより大きくしようと考案されております。
遠心分離機の能力の指標として、回転容器(回転胴と呼称します)の構造と遠心加速の大小により、その遠心機を自然沈殿池に換算した場合に、いかほどの面積の次元をもつ「遠心沈降分離面積(Σ-Value)」で表すのはこのためです。

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