機能選択の基本(分離板型/円筒型・特殊型) | 遠心分離機メーカー 斎藤遠心機工業株式会社

機能選択の基本(分離板型/円筒型・特殊型) | 遠心分離機メーカー 斎藤遠心機工業株式会社

機能選択の基本(分離板型/円筒型・特殊型)

清浄(液-液)分離か、清澄(固-液)分離かは、分離目的により容易に定まりますが、しからばどの機種にすべきかで最も留意すべきは、被処理液中の固形分濃度であり、この濃度は体積濃度を基準としてます。
機種の選択は、分離能力と同時に固形分の排出能力を考慮しなければなりません。
次に、固形分濃度に注目した機種選定の目安を示します。

濃度の非常に低いもの(1%未満)

(1)分離板型固定壁式
(2)円筒型円筒式
(3)円筒型多筒式

この形式は、固形分の排出機構を持たないので、固形分の取り出しは人手により、回転胴を分解して取り出します。従って、許容し得る分野の頻度により含有固形分濃度が制限を受けます。

濃度の低いもの(数%未満)

(1)分離版型弁排出式
(2)円筒型往復弁式

この型式は、固形分に排出する機構を有します。回転胴の固形分保持部に固形分が所定の量推積する毎に、時間制御、又はその他の自動制御により自動的に固形分を排出します。

濃度中位のもの(数%以上)

(1)分離板型噴嘴式
(2)分離板型噴嘴三相式
(3)特殊型

噴嘴式、特殊型星型回転胴式はいずれも固形分を濃縮泥漿(スラリー)状で、小口径の数個の噴嘴(ノズル)から連続的に排出するものです。
その他の機械は固形分の保持空隙(スラッジスペース)を大きく設けてあるものです。

濃度の高いもの(10%以上)

(1)円筒型螺旋排出式(スクリューデカンター)

回転胴内壁に分離沈殿した固形分をスクリューコンベアーで回転胴外へ連続的に排出するものです。固形分濃度は最も高いものが得られます。本機は脱水目的に使用される例もあります。
以上は選択の目安であり、処理物の物性によっても適否が別れるので、固形分排出の原理と機構を勘案して、柔軟な選択を心がけて頂きたい。
図2に各型式の回転胴の概念図を示します。



(図2) 分離板型

機能選択の基本(分離板型/円筒型・特殊型)


(図2) 円筒型/特殊型

機能選択の基本(分離板型/円筒型・特殊型)


更に、食品工業用としては、機種選択に際し留意すべき条件に、洗浄・減菌性能があります。
食品用の遠心機はCIPに対する配慮がなされておりますが、分離液の取り出し方法について留意すべき点があります。
液の取り出しには、落差式と求心ポンプ式とがあります。落差式は、分離液を回転胴より溢流させ、これを受器に受けて落差で機外へ流出させるものです。
高速回転中の胴体より溢流するため、霧状に噴出し、ために非常に大きな外気と接触表面積を有する結果となりますので、この現象に対する得失については留意すべきと考えます。
一方、求心ポンプ式は、回転胴内で高速回転している液の速度を圧力に変換して液の速度を圧力に変換して、接続配管に直接加圧吐出するもので、外気との接触はほとんどなく、又脱泡の効果をも有します。


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