利用に際して
遠心機をより有効に機能させるためには、前処理が重要です。分離の原理が、比重差による沈降分離ですので、対象となるのは溶解液ではなく混合液なので、前処理は混合物相互間の沈降速度を大とするように配慮するのが有効です。
代表的な前処理の例に、油水分離の際に、原液を加熱しますが、温度の上昇とともに油と水の比重差は大となり、かつ油の粘度は低下するので、重液、水の沈下速度が大となり、分離効果を向上させます。
溶解物に対しては、科学的又はその他の手段により、事前に不溶化すれば分離器により分離の目的を達することができます。この一例が油脂の脱酸行程に見られます。原料油脂に苛性ソーダを添加し、遊離脂肪酸を鹸化して不溶化し、分離機により遊離脂肪酸を除去するものです。